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日本セールスレップ協会の研修事業の歴史と営業人材の育成
日本セールスレップ協会は、経済産業省認可のセールスレップ協同組合とともに、わが国のセールスレップの普及において、先駆的役割を果たしてきたとともに、セールスレップ交流会、販路開拓支援事業、セールスレップ商談会、セールスレップ商材検討会、資格認定制度など、どれをとっても、わが国で最初にセールスレップ全般にわたる活動を構築、多くの実績と歴史を持つ団体です。
これまでの研修事業から
平成15年9月に経済産業省の肝煎りで立ち上がった、「日本型セールスレップ・システムの普及・実践検討会」の委員会が開催されました。
この委員会には、全国で日本型セールスレップ・システムを深く研究しているメーカー、セールスレップ企業、学識経験者、商工会議所、シンクタンク、マスコミなどの関係者20名ほどが、委員及びオブザーバーとして参画しました。
この中のオブザーバーとして参加したマスコミ関連の方が書かれた記事が、次のような内容を伝えています。
「アメリカではかなり普及しているこの販売システムが、日本ではまったくと言っていいほど馴染みが薄い。それは、セールスレップの普及という観点に絞って言うと、日本独特の流通構造と商習慣が「大きな壁」となっているためだ。
日本独特の流通構造とは、一例を挙げるなら、メーカーと小売業との間に他段階で関わってくる卸業者の存在がある」(2003../09/05 プレジデントニュース・プレジデント社)。
セールスレップシステムが社会的に注目されるなか、わが国ではじめて当協会は、国の外郭団体であった中小企業総合事業団(現中小企業整備機構)新規開拓事業の研修運営機関として「セールスレップ育成研修セミナー」を実施しました。
この研修事業は、日本型セールスレップに共感していただき、私たちの提言を柔軟に受け入れる姿勢のあるメーカー企業の方、20社程度を参加メンバーに加えさせていただくことにしました。
メーカーをメンバーに加えたのは、ものづくり企業への導入を中心としたセールスレップ・システムのセミナーとして、実務的でかつ企業にとって活用できるカリキュラム構築により、営業活動に直結できる研修事業を行いたかったからです。
この研修の応募部門の状況は、流通系セールスレップ商品を希望する受講生が半数以上で、工業系、IT系受講者が残りの受講生で実施しました。この研修では、特にマーケティングを主力におき、営業上のノウハウ支援を行うことができたのではないかと考えています。この研修では、そのほか、販売チャネル・製品需要予測をコンサルタントできる人材の支援組織に重点をおき、カリュキュラムを策定しました。
現在では、日本における営業人材の拡充強化とセールスレップの普及、地位の向上及び交流を図り、営業力、商品力、販売促進力、技術力強化による営業人材の育成に取り組んでいます。
また、セールスレップの育成に留まらず、一般企業での営業人材育成研修、リーダー研修、幹部研修など、次世代のビジネスリーダーの育成を行っています。
さらに、学校教育における取り組みとして、専門学校・大学と連携し、実社会で役立つカリキュラム構築を行ってきました。社会人教育としては、公的職業訓練校、ハローワークなどの研修における取組みも実施してきました。当協会が認定するセールスレップ資格者は、ビジネスリーダーとして、その専門分野で幅広く活動しています。
右肩上がりの経済成長が終わり厳しい経営環境にある中、企業ではセールスレップの持つ、高いマーケティングスキルや科学的な営業手法、専門知識、そのノウハウ等を活用し、営業、販売部門、販売促進部門などにおける新入社員教育や、既存営業社員の方々への研修制度を活用した人材育成の取組みも進んでいます。
現在では、セールスレップは言うに及ばず、製造業、流通・小売業、商社、問屋・卸売業、販売代理店事業者、サービス業、広告業界等の営業関連部門の方々にまで、営業のプロトしてのノウハウ活用が広がっています。
今後とも、セールスレップのノウハウを活用していただき、飛躍していただけるよう、本協会がサポートさせていただくことができれば、幸いと考えています。
何卒、皆様のご支援を賜りますよう、心からお願い申しあげます。
日本セールスレップ協会会長
小塩 稲之
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